新年明けてもう2月だよ、研究してないけど忙しい

 一応プロの天文学者が愚痴と説教をたれる日記(?)も新年最初の記録が1月31日ときた。年末年始は久々にゆっくりできた。普段研究時間を削ってまで所属機関の下僕として働いているのだ。年末年始くらい家族サービスしても罰はあたるまい。そうプロ天文学者になって何らかの機関に所属すると、それは同時に研究時間がほとんど無くなることを意味しているのだ。
 ポスドク(博士号を取得したあと、1年〜3年程度の非常勤研究員として研究機関や大学に所属して給料を貰いながら働く身分。Post Doctoral fellow の略。)の時もそれなりの雑務があったが、今は当時の比では無い。大学教員になった場合は、研究室の運営という名の無限大の雑務が待っている。物品購入手続き、会計、学生・院生への各種アナウンス、各種会議、各種委員会、入試(大学&大学院)問題作成&チェック、センター試験などの試験監督、講義、実験、演習、卒研・M論・D論指導、and so on...
 内部昇進するつもりでなければ、仲間の顰蹙をものともせず、これら雑務をほっぽり出して自分の研究のみに打ち込めば良い。しかしその場合、他機関へ移れなければ、万年助手、万年助教授のポストが待っている。しかし雑務を沢山引き受けて、仲間の好感を得ても、昇進のチャンスが回ってきたときには「こいつはよく仕事をしてくれるんだけれど論文数がねぇ」ということで×を付けられてしまう。なかなか矛盾した状態だ。つまりそこそこ雑務を引き受けて仲間内にいい印象を与えつつ、必要最小限の研究成果を挙げることが必要となる訳だ。何のことはない、研究者の社会もサラリーマンの世界も同じということですな。
 勿論一生研究のみをやりたければ、ずっとポスドクをやればいいのだ。ポスドクは、同じ年代の典型的なサラリーマンに比べればボーナスも無く、月給も10数万程度は安いし、保険なども無いが、最近は年齢制限がない。数年前のポスドクと言えば大抵、採用時に35才あたりに年齢制限があった。つまり35才になってパーマネント職が得られなかった時に、人生の岐路に立たされる訳だ。しかしその制限が無ければ一生ポスドクも決して夢ではない。場合によっては難色を示す人もいるだろうが、ニートに比べればまだマシかも知れない。勿論ポスドクの任期が来て、次のポスドクの職が無ければ、君も立派なニート・デビューだ。
 まぁ今回は年初めの各種雑務で忙しかった、という愚痴だ。